ミステリー映画

クリストファー・ノーラン監督の出世作 映画『メメント』の主なあらすじと作品の魅力を紹介(物語の内容や結末を一部含みます)

<注意>

本作品をまだ観ていない方は登場人物の紹介までご覧になり一度映画を見て是非続きをお読みください。

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映画『メメント』の基本情報

作品紹介

『インセプション』(2010年)や『インターステラー』(2014年)、『ダンケルク』(2017年)などで知られる名監督クリストファー・ノーラン。

彼の名を世に知らしめた最初の作品が、2001年に公開された『メメント』です。本作はアカデミー賞において脚本賞、編集賞にノミネートされるなど批評的にも高く評価された作品です。また、2017年には2000年代の映画としては4作品目(劇映画としては初)となるアメリカ国立フィルム登録簿に追加されました。

物語は、主人公レナード・シェルビーの視点で語られ、ある日彼の妻が殺害される現場を目撃し、その犯人により受けた外傷で、事件後、記憶が10分間しか保てなくなってしまい、彼が唯一覚えている最後の記憶、それは「妻の死ぬ姿」でした。

彼は自身の妻を殺した人物に復讐を遂げることだけを生きがいにしていました。しかし彼はその前向性健忘症という特殊な状態にあり、彼が得た情報は彼の記憶からすぐに消えてしまいます。なので彼は身体にタトゥーを施し、ポラロイド写真を撮り、メモを書くなどして、彼が収集した情報を維持しながら犯人を追い求めます。

そして主人公が前向性健忘症に苦しみながら犯人を追うことで、真実とは何か、記憶とは何か、人間の意識とは何かという問いと向き合う物語です。

本作の見どころ

復讐心に燃える前向性健忘の男・レナードを主人公とする本作。

その最大の特徴は、映画がレナードの犯人探しを手伝う刑事テディの死のシーンを現在とし、ここを基点に、一部ではカラーで彼の現在までの流れを逆行し(これをバックワード手法という)、他の部分ではモノクロでレナードの1週間前の過去から現在に順行し、最後に両者が結合して終わるという、特異な方法で描かれていることです。

この異例の手法を使うことで、「記憶が10分しか持たない男」の思考をリアルに表現し、これは観ている方にレナードの混乱と記憶が10分間しか保てなくなってしまう状態を疑似体験させます

そして本作は、記憶という独立した「現実」がどのように私たちの認識と行動を左右し人間の精神と記憶の脆弱性、人の意識を巧みに描き出すことで、真実とは何か、記憶とは何か、人間の意識とは何かという普遍的な問いを提起し、観客に自己認識と現実の理解について考える機会を提供する映画です。

本作は、複雑な構成で難解な作品になっていますが、ノーラン監督の巧みな表現と、不確さと混乱の中で真実を探求するというテーマであり、これは後の彼の映画作品にも見ることができ、ノーラン監督の映画を観たい方にはおすすめ映画となっています。

主な登場人物

レナード・シェルビー(演-ガイ・ピアース)

物語の主人公である男性。事件以前は保険会社の調査員をしていた。妻が殺害される現場を目撃し、その犯人により受けた外傷で、事件後、記憶が10分間しか保てなくなってしまう

そのために物語の中では、自分がどんなつもりで今何をしているのか、今話している会話の趣旨は何なのか、解からなくなってしまう場面がしばしば見られる。

ナタリー(演-キャリー=アン・モス)

レナードを手助けする謎の女性。彼の依頼でとある調査を行った。普段はバーを経営している。

レナードの記憶障害を知り、ドッドを殺害しようとするのに利用する。

テディ(演-ジョー・パントリアーノ)

レナードの犯人探しを手伝う刑事。レナードに対して妙に親しげで、たびたび助言や忠告、手助けをしてくれる

彼の死が物語の始まりであると同時に結末でもある。実は悪徳警察官でレナードの記憶障害を利用して金儲けを考えている。

その他の登場人物

バート(演-マーク・ブーン・ジュニア)‥‥レナードが泊まっているモーテルのフロント係。

レナードの妻(演-ジョージャ・フォックス)‥‥回想の中で登場。故人。夫レナードの前で殺害される。

サミュエル・“サミー”・ジャンキス(演-スティーヴン・トボロウスキー)‥‥レナードがかつて担当していた顧客。主人公と同様、事故により記憶障害を患っている(ただし彼の場合、記憶を保持出来るのは2分間だけ)。レナードは彼のことを教訓として、自身の症状に上手く対処しようとしている。

ジャンキス夫人(演-ハリエット・サンソム・ハリス)‥‥サミーの妻。前向性健忘を患っている夫との関係に疲れている

ジミー(演-ラリー・ホールデン)‥‥ナタリーの行方不明の恋人。麻薬の売人。

ドッド(演-カラム・キース・レニー)‥‥レナードを襲う謎の男。ジミーの相棒。

以上が主な登場人物となります


<注意>

以降は物語の内容や結末を含んでおります




物語の真実(映画の内容やあらすじを解りやすく理解するための知識です)

本映画の構成上、カラーシーンでのバックワード (時間を逆戻りする手法)やモノクロシーンとカラーシーンが交錯していて、さらに映画はレナードの視点で語られますが、彼の記憶障害のせいで何が事実で、何が嘘なのか分からなくなります。

なので以下に映画で語られる事実の事柄のみをここに記載するので映画を解りやすく理解したい方この後に書いてあるあらすじを観られる方は以下に目を通してもらえると幸いです。

・モノクロのシーンで電話をかけているのは麻薬捜査官のテディ

・レナードのメモに残っていたサミーの話はレナード自身の話で、自身と妻をサミーとジャンキス夫人にすり替えて記憶した

・レナードとその妻は強盗被害にはあったが、妻はそこでは死んでいない

・レナードの妻を殺したのはレナード自身であり、殺した方法はサミーの話の状況と全く同じ(なぜなら上記でも述べているようにサミーの話はレナード自身の話のため)

・レナードが追っていた本物の「ジョン・G」(レナードとその妻を襲った犯人)は1年前にレナードが復讐済み

・テディは自身が麻薬で儲けるために、レナードに麻薬密売人のジミーを「ジョン・G」と偽り殺させる

・テディもナタリーもレナードの記憶障害を利用するために、自分の都合のいいようにレナードに言っている

以上は、事実の事柄でありこれを考慮に入れると、映画や以下のあらすじを解りやすく理解しやすくなると思います。

あらすじ「起・承・転・結」

<注意>

本作は、カラーシーンでのバックワードやモノクロとカラーが交錯する手法など用いています。なので分かりやくするため以下の様にあらすじをまとめます。

  • モノクロとカラーそれぞれで分け、さらに時系列順に沿ったあらすじをまとめていきます。
    (時系列は、モノクロ「起」→モノクロ「承」→‥‥→カラー「転」→カラー「結」とここに書いてある順番通りに進行しています)
  • カラーシーンではシーンをキリの良いところ(主にレナードの記憶の連続性が失われ、記憶が喪失しているシーン)で断片的に分けてそのシーンごとを時系列順に並べてカラーシーンのあらすじをまとめます。

モノクロシーンでのあらすじ「起・承・転・結」

」-主人公レナードの過去と現在の説明-

主人公レナードがモーテルの一室で目覚めます。

左手にある「サミーを忘れるな」という一文をはじめ、彼の全身にはあちこちに文字のタトゥーが刻まれている。

その身体に刻まれたタトゥーには、過去の自分が現在の自分に向けて残した「妻を強姦し殺害した犯人を見つけ復讐を果たす」というメッセージおよび,その犯人に関する「事実」と第された手がかりの数々であた。

そして過去、彼は妻とともに強盗に襲われ、頭部に損傷を受けて以来、新しい記憶を10分以上保つことができない前向性健忘症を患っていたことも知る。

これらのタトゥーポラロイド写真は彼の記憶喪失を補う彼自身の手段で、これにより彼は過去の自分との連続性を何とか保ている。

しかし記憶障害を負ったレナードのことをほとんどの警察は信用しなかったため、妻を殺した犯人「ジョン・G」を独力で探し出そうと、探偵のような暮らしを送っていた。

」-同じ前向性健忘症であるサミーの話を例に挙げこの症状の詳しい説明-

レナードは、電話をかけてきた協力者と思しきの人物に彼は過去の顧客サミーの話を始めます。

サミーもまた交通事故の後遺症で記憶能力を失いましたが、ただ糖尿病の妻にインスリン注射を打つなど事故以前に学習したことは問題なくできます

しかし、詳しい検査の結果サミーの場合、心因性と診断され保険金は下りませんでした。

サミーを懸命に支えつつも疲弊しきった妻は、ある日、最後の望みを託し賭けにでた。

自分の命を危機的状況に晒せば、土壇場で記憶力を回復するかもしれないと考え、短時間に繰り返しインスリン注射を夫に頼んだのだ。

だが思いは届かず、サミーは言われるままに致死量を超える注射を打ち、妻は死ぬ

」-犯人のもとに向かう-

レナードは電話をかけてきた麻薬捜査官ジョン・ギャメル(通称テディ)から、彼が追っている犯人「ジョン・G」の手掛かりを得ます。

テディはレナードに、麻薬の売人ジミー・グランスが「ジョン・G」であると伝え、彼と接触できる麻薬取引場所を教えます。

」-犯人に接触を図る前-

レナードはテディの情報に従い、麻薬の売人のジミー・グランスと対面します。

ジミーはレナードを知っているかのように振る舞いますが、レナードは彼を殴り殺し、彼の衣服に着替えます。

カラーシーンでのあらすじ「起・承・転・結」

<注意>
・本記事では、-カラーシーン1(数字)-の様に断片的なシーンごとに分けてあらすじを書いてます。
・カラーシーンの数字は映画で流された順番です。
(例えばカラーシーン22は映画だとカラーシーンの最後に流れたもので、カラーシーン1は映画だとカラーシーンの最初に流れたもの)
「基本的にカラーシンとカラーシンの間で、レナードの記憶の連続性が失われ、記憶の一部または全部喪失している」と理解してもらえれば幸いです。

時系列では、モノクロの「結」のレナードが麻薬の売人のジミーを殴り殺し、彼の衣服に着替る場面の続きです。

「起」-テディからすべての真実を明かされる-

-カラーシーン22-

ジミーが自分を知っているような振る舞いをしていたことにレナードは混乱し、外にいたテディを呼んで問い詰める。

そして、テディは「レナードが忘れている話」を始めます。以下がその内容です。

1:「サミー」は、レナードの作り話であり、レナード自身が忘れた記憶の断片

2:レナードの妻は強盗被害を生き延び、レナードがインスリン注射で死なせた

3:本物のジョン・G(レナードを殴った2人目の強盗犯)は、1年前に復讐済み

4:「狂気の笑みで左胸を指差すレナードの写真」は、復讐記念に撮影した証拠

5:テディは、最初復讐を手伝ったが、結局忘れるレナードを利用して金儲けへ
補足説明「なぜサミーの作り話をレナードは作ったのか?」
→レナードがインスリン注射で妻を死なせてしまった、罪への罪悪感から逃れるために過去に出会った実在の保険金詐欺師サミーの話としてすり替えて覚え込み、罪の意識から逃れるためだろう。
(サミーは実在する人物でしたが、レナードの残していた情報は嘘です。)

と作中でテディから言及ました。

このことをテディから語られましたが、テディを恨んだレナードは、知った真実を記憶から消すために、あえてメモに残さずテディの写真に「やつのウソを信じるな」と書き込みます。

その後、証拠写真の「1年前の復讐記念に撮影したレナードの写真」「ジミーの死体」も燃やします。

それからテディの車のナンバー「事実6 車のナンバー SG137I」とメモし、ジミーの車に乗ってタトゥーショップへ向かう。

」-ナタリーと関係を持つ-

-カラーシーン21-

レナードは紙のメモ「事実6 車のナンバー SG13 7IU」をタトゥーとして彫ります。

すると情報屋を名乗るテディがきて、レナードが悪徳警官に狙われているから逃げろと話します。

が、レナードはテディの写真「やつのウソを信じるな」を見て逃走。

スーツのポケットに入っていた『ファーディーズ・バー』のコースターに書かれたメモ「あとで来て ナタリー」見てバーの前へ停車、すると謎の女性ナタリーに「ジミー」と話しかけられますが、人違いだとして謝られます。

補足説明 
レナードがジミーを殺害した後ジミーの服を着て、ジミーの車に乗っています。

なのでスーツのポケットに入っていた『ファーディーズ・バー』のコースターに書かれたメモ「あとで来て ナタリー」は、レナードが残した情報ではなく、ナタリーがジミーに残したメモになります。

そしてナタリーがレナードをジミーと勘違いしたのは、ジミーの服を着ていて、ジミーの車に乗っていったので見間違えたため。

(因みに、レナードはスーツのポケットに入っていたメモを自身へ宛てたメモと思っているので、ナタリーとの面識はないのだがナタリーに会った事があると思っています)

-カラーシーン20-

レナードはスーツのポケットに入っていたメモを頼り、結局ナタリーが働くバアーにまた行くことになる。

ナタリーは、レナードのことを彼氏のジミー警察(テディ)から聞いていて、レナードを知っていた。

ナタリーは、レナードが本当に記憶障害を持っているか確認するために、ビールに自分や客やレナードの唾を混ぜる

-カラーシーン19-

唾を混ぜたビールをレナードに差し出し彼がそれを飲んだため、彼女はレナードが記憶障害者であるということを確認すると、哀れんで自宅に招き詳しい事情を聞くことにする。

-カラーシーン18-

レナードは、ナタリーの家に招待され、妻が殺害された夜の記憶をナタリーに話します。

当時、レナードはトイレで妻を襲っていた男を銃で撃ちますが、隠れていたもうひとりの男に棒で殴られて気絶。

警察は、その「もう1人」は存在しないものと判断し、捜査は打ち切られました

ナタリーは、レナードに「しばらく家にいていい」と告げて自分は仕事へ行く。

-カラーシーン17-

ナタリーがしばらくすると戻ってきて、切羽詰まった様子でカーテンを閉めました。

切羽詰まったナタリーは、レナードにドッドの殺害を依頼しますが、レナードは拒否

すると、ナタリーはレナードを利用してやると怒鳴り、レナードの妻のことを散々侮辱します

レナードはナタリーを殴り、彼女の顔に怪我を負わせ、ナタリーの正体をメモしようとしますが、すでにナタリーが筆記用具を回収して家を出たあとでした。

-カラーシーン16- (このシーンでは既にナタリーが自身を利用していることは忘れています)

レナードが必死で筆記用具を探していると、ナタリーが家に戻ってきます。

ナタリーは顔に怪我(レナードがやっています)を負っており、「レナードのせいでドッドに殴られ、このままでは殺される」と話します。

レナードは、ナタリーにドッドの情報を書かせ、そのメモを持って話をつけにいこうとします。

ナタリー曰く、レナードが会いに行かなくても、ドッドはレナードの車を知っています。(なぜなら、レナードの車はドッドの相棒のジミーの車だから)

-カラーシーン15-

レナードが車に乗り込むと、助手席にテディが座っており、もうナタリーの家には戻らず「ディスカウント・イン(モーテルの名前)」で部屋を取れとメモを渡してきます。

テディ曰く、ナタリーやジミーは麻薬取引でトラブルを抱えており、レナードを利用して切り抜けようとしている。

レナードは、ナタリーの写真に「彼女は信じるな」と書き込みます。

が、テディの写真「やつのウソを信じるな」と並べて、「彼女は信じるな」のメモを取り消しました。

「転」-ドッドに接触-

-カラーシーン14-

レナードは、メモに従い、モーテルの部屋を取ります(304号室)。

それから、デート・クラブに電話をかけ、夜に女を呼んで指示を与え、妻の思い出に浸り寝る。

-カラーシーン13-

夜、レナードはドアを閉める音で目が覚め、妻の気配を感じます。

しかし、妻を探してトイレのドアを開けると、知らない女(デート・クラブから呼んだ女)がクスリをやっていました。

レナードは女を帰し、袋を持って部屋を出ます。そして、自分の車へ。

-カラーシーン12-

レナードは、車で人目につかない場所へ。

そこで焚き火を起こし、袋から出したぬいぐるみやヘアブラシ、ボロボロの本などを燃やします。

どれも妻の愛用品であり、遺品です。レナードは、明け方までそこにいました。

-カラーシーン11

レナードが車で走行中、うしろの車にクラクションを連打され、煽られます。

知り合いかと思い停車すると、煽り運転男(これがドッド)も隣に停車し、銃を向けてきたため逃走。レナードは行き止まりに追い詰められ、どこで車を手に入れたか訊かれます。

レナードは、車を降りて走って逃げました。

-カラーシーン10-

レナードは、息を切らして走っており、何者かを追っていると思ったら自分が追われる身でした。

車に戻り、メモを見ると、「ドッドの情報」「モーテルの部屋番号」が書き込まれています。

レナードは、ドッドの部屋に先回りすることに。

ドッドの部屋に侵入し、武器代わりに酒瓶を持ってトイレに潜みました。

-カラーシーン9-

レナードは、なぜか酒瓶を持ってトイレに座っており、そのままシャワーを浴びます。

すると何者(ドッド)かが部屋に入ってきたため、レナードは侵入者を攻撃し、気絶した男を監禁してカメラで撮影

メモを漁ると、ドッドの情報「テディに連絡を ナタリーのために消せ」

レナードは、ドッドの写真にも「消せ ナタリーに聞け」とメモを書き込み、テディに電話して眠りに落ちます。

-カラーシーン8-

レナードが部屋で目覚めると、鼻血を流してガムテープで口を塞がれた男ドッドが監禁されており、同時にテディも訪ねてきます。

レナードが監禁した男ドッドの写真には、「消せ ナタリーに聞け」

レナードは、テディと相談し、ドッドに銃を突きつけて町から追放へ。

その後、ナタリーを問い詰めにいきます。

「結」-テディ殺害-

-カラーシーン7-

レナードはナタリーの家を訪問、ドッドの鼻血を流して口にガムテープが貼られている顔写真を突きつけ、説明を求めます。

ナタリー曰く、ドッドはナタリーの顔を殴って傷をつけ、その直後に出会ったレナードに助けを求めました。

そしてレナードは、ナタリーを助けることに。

ナタリーも恋人ジミーを亡くしており(レナードがジミーを殺害している)、レナードはナタリーの写真に「彼女も恋人を亡くし 憐れみで協力を」と書き込みます。

-カラーシーン6-

ナタリーは、レナードが助けてくれたと話し、お返しに太腿のタトゥー「事実6:車のナンバー SG137IU」を調べてくれることに。

レナードは、ナタリーとまた会う約束のメモを持って外へ。

レナードが車に乗ると、テディが駆けつけてきました。

-カラーシーン5-

レナードはテディと昼食へ。

テディと会話中、モーテルの鍵を持っていないことに気づき、モーテルに戻って管理人に報告。

管理人と話している途中、ナタリーの写真とメモ「本日 1:00pm ナタリーから情報」を発見。

ファミレスでナタリーに会います。

-カラーシーン4-

レナードがナタリーの写真やメモを見ると、「本日 1:00pm ナタリーから情報」「彼女も恋人を亡くし 憐れみで協力を」

ファミレスでナタリーに会い、「事実6:車のナンバー SG137IU」が示すジョン・ギャメル(ジョン・G)の名前や、運転免許証車検証のコピーを入手。

レナードは妻の思い出を話すようにいわれ、目を閉じて妻の姿を次々と思い浮かべ、最後には妻がまばたきをして目を開けたまま閉じない寝顔。「失った悲しみ。奪った者が憎い」

それから町外れの廃屋の情報と、ナタリーの部屋に忘れていたモーテルの鍵も手に入れ、お手洗いでは「サミーを忘れるな」のタトゥーも見ます。

-カラーシーン3-

レナードの身体には、「THE FACTS(事実)」のリスト1~6「やつを捜せ 殺せ」「ジョン・Gが妻を犯し 殺した」のタトゥーが掘られています。(以下がリスト内容です)

事実1:男性”
事実2:白人”
事実3:ファーストネームはジョン OR ジェームズ”
事実4:ラストネームのイニシャルはG”
事実5:麻薬の売人”
事実6:車のナンバーはSG137IU”

モーテルに戻り、レナードへ ナタリーの封筒を開けると、テディの顔写真と同じ人物の運転免許証や車検証の写しが入っています。

免許証の名前は「ジョン・ギャメル(ジョン・G)」、登録ナンバーは「SG13 7IU」

レナードがテディの顔写真を裏返すと、「やつのウソを信じるな」と書き込まれており、テディの名前が嘘だと判断したレナードは「やつが犯人だ 殺せ」と書き加えて銃を携帯します。

-カラーシーン2-

レナードは、テディの写真に「やつのウソを信じるな やつが犯人だ 殺せ」とメモして、銃を携帯。

部屋を出て、モーテルの管理人と会い、テディからの電話は繋ぐように要求。

すると、ちょうどテディが訪問してきます。

-カラーシーン1-

レナードはテディに会い、一緒にナタリーから教えてもらったボロ家へ。

テディの写真を取り出して裏返すと、「やつのウソを信じるな やつが犯人だ 殺せ」と書かれています。

レナードはテディを殴り、そして銃の引き金を引きます。

本作品の魅力

作品の魅力①:クリストファー・ノーラン監督の技術革新的な手法

ノーラン監督の深遠な思考巧妙な描写は、観客を物語の世界へと引き込みます。

例えば、映画がレナードの犯人探しを手伝う刑事テディの死のシーンを現在とし、ここを基点に、一部ではカラーで彼の現在までの流れを逆行し(これをバックワード手法という)、他の部分ではモノクロでレナードの1週間前の過去から現在に順行し、最後に両者が結合して終わるという、特異な方法で描かれていることです。

この異例の手法を使うことで、「記憶が10分しか持たない男」の思考をリアルに表現し、これは観ている方にレナードの混乱と記憶が10分間しか保てなくなってしまう状態を疑似体験させます

さらに、彼の一貫したテーマである「現実と幻想の境界」「記憶とアイデンティティ」などが、この映画の複雑さと奥深さを一層引き立てています。

作品の魅力②:謎解き要素

本作は謎解き要素が満載で、観客を楽しませるだけでなく、物語を理解するための思考を刺激します。

主人公の記憶障害は観客にとっても謎解きの一部となり、主人公が自身の記憶を探求する様子を見ることで、観客も自らの視覚と感覚を信じるかどうか、疑うべきかどうかを考えさせられます。

作品の魅力③:記憶と現実の境界性

レニーの記憶障害という視点から描かれた物語は、観客に対して「何が真実で、何が虚構か」を問いかけます。

レニーが追っている犯人の存在、そしてレニー自身が人々から利用されることに対する懸念は、観客に対して自己の記憶自己認識がどれだけ確固としたものか、またはどれだけ脆弱なものかを考えさせます。

まとめ

クリストファー・ノーラン監督の「メメント」は独特な時間軸で進む斬新なミステリー映画です。

10分間しか記憶を保てない主人公の視点から逆行する時間軸は、観客に記憶真実の不確実性を巧みに描き出します。

奥深いテーマ謎解き要素を楽しみたいノーランファン映画ファンに強く推奨します。

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