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映画『英国王のスピーチ』の予告映像
映画『英国王のスピーチ』の基本情報
本作について
ジャンル:歴史映画
公開年:2010年の公開作品
製作国:イギリス、オーストラリア、アメリカ合衆国の共同制作
監督
- トム・フーパー
・映画『レ・ミゼラブル』で、ミュージカル映画の新たなスタンダードを築いたことで知られます。
・また、テレビドラマ『エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~』も手掛け、その緻密な演出で高い評価を得ました。
主演
- コリン・ファース(ジョージ6世役)
・英国を代表する俳優として、『高慢と偏見』ではダーシー役で深い印象を残しました。
・そして、映画『シングルマン』での繊細な演技が国際的に認められ、ヴェネツィア国際映画祭の男優賞を受賞し、第82回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、多くの賞を受賞しました。
・また、本作『英国王のスピーチ』においても、吃音に苦しむ国王の役柄を熱演し、第68回ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、そしてアカデミー主演男優賞を受賞しました。
内容・モチーフ
吃音に悩むイギリス王ジョージ6世の実生活を基に、王とオーストラリア出身の言語療法士ライオネル・ローグとの深い友情を中心に描かれています。
評価
- 世界中で絶賛され、Rotten TomatoesやMetacriticでは非常に高い評価を受けています。
- 『エンパイア』誌や『シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートなど、多くの映画評論家からも高く評価されました。特に、ストーリーの深さ、演技の素晴らしさ、そしてトム・フーパー監督の演出には絶賛の声が多く挙がりました。
- 日本でも大ヒットとなり、公開後の反響も大変大きかったです。特に、コリン・ファースの感情豊かな演技や、歴史的背景との繋がりを楽しむ声が多く聞かれました。
本作のあらすじ(作品の大まかな流れ)
1925年の大英帝国博覧会閉会式での失敗した演説の後、吃音症に苦しむヨーク公アルバート王子は声を取り戻すための物語が始まります。 作中で彼の前に現れるのは、オーストラリア出身の言語聴覚士、ライオネル・ローグ。伝統と格式に囚われた王室の中で、二人の異色の友情が芽生え、成長していきます。 王としての責務、家族との複雑な関係、そして歴史の大きなうねりの中で、アルバート王子は自分の声を見つけることができるのか。そして彼が最終的に立ち向かう大きな試練とは。 『英国王のスピーチ』は、人間の心の葛藤と成長、そして不変の友情を背景に持つ感動的な歴史ドラマです。この物語は、観る者の心を温かくし、深く感動させる物語です。
主な登場人物の紹介
ジョージ6世 (演:コリン・ファース)
- 生い立ち・背景
・イギリスのヨーク公アルバート王子として生まれました。
・王族としての優雅な生活とは裏腹に、吃音症というコミュニケーションの障壁を持っていました。
・吃音症の治療のために様々な医師のもとを訪れてきましたが、その中で独特な治療法を持つライオネル・ローグと出会いました。 - 登場時人物の性格や特徴
・ 責任感が強く、王族としての義務を果たそうと努力していますが、吃音症によるコンプレックスが影を落としています。
・身体的特徴としては、中肉中背で真面目な眼差しを持っています。 - 他の登場人物との関係
・エリザベス妃:妻。彼の吃音症を克服するための支えとなっています。
・ライオネル・ローグ:吃音症の治療を行う言語聴覚士。最初は彼の治療法に抵抗がありましたが、徐々に信頼関係を築いていきます。 - 作中での動向
・父王ジョージ5世の死後、予想外の王位継承が決定しました。
・即位後も吃音症との闘いは続きます。ライオネル・ローグとの関係を深めながら、自分自身を乗り越え、国民の前でスピーチをする勇気を持つようになります。
ライオネル・ローグ (演:ジェフリー・ラッシュ)
- 生い立ち・背景
・オーストラリア出身の言語療法士で、彼自身の経験や研究をもとに独自の治療法を確立してきました。
・元々は演劇の世界で活動していたこともあり、その経験が彼の治療法に深く影響を与えています。 - 登場時人物の性格や特徴
・専門家としての自信と誇りを持ちつつも、気さくで親しみやすい性格。
・王族に対しても平等な目線で接し、患者との対等な関係を重視しています。身体的には、中肉中背で、知的な眼差しを持っています。 - 他の登場人物との関係
・ジョージ6世:治療のクライアントとしての関係が始まりましたが、次第に深い友情を築いていきます。初めはローグの治療法や態度に反発するジョージ6世でしたが、彼の真摯な態度と効果的な治療に徐々に信頼を寄せるようになります。 - 作中での動向
・ジョージ6世の吃音症の治療を担当する中で、彼との関係は深化していきます。
・ローグの独自の治療方法や彼の人間としての温かさが、ジョージ6世の内面の成長や吃音症の克服に大きく影響を与えます。
・彼の支えと助言は、ジョージ6世が国王としての役割を果たす上での大きな力となりました。
エリザベス妃 (演:ヘレナ・ボナム=カーター)
- 生い立ち・背景
・英国の名家出身で、王族としての伝統的な教育と価値観を受け継いで育ちました。
・しかし、彼女の生き様はただの王族としての役割に留まらず、夫ジョージ6世の心の支えとして、国の困難な時期を支える重要な役割を果たしてきました。 - 登場時人物の性格や特徴
・強い意志と母としての優しさ、そして王妃としての優雅さと品位を併せ持っています。
・非常に思慮深く、夫を愛し支える強い女性として描かれています。
・また、繊細な美しさと確かな眼差しを持つヘレナ・ボナム=カーターが演じることで、その存在感は一層増しています。 - 他の登場人物との関係
・ジョージ6世:夫。ジョージ6世の吃音症を心から理解し、彼が王としての役目を果たせるよう、様々な方法でサポートしています。特に、ライオネル・ローグとの出会いをきっかけに、彼女の支えがさらに強固なものとなります。 - 作中での動向
・ジョージ6世の心の支えとして、彼の困難や疑念を共に乗り越えていきます。
・ライオネル・ローグとの治療を強く推奨し、2人の関係の構築にも一役買っています。
・彼女の存在が、ジョージ6世が王としての自信を持ち続ける大きな理由の一つとして描かれています。
エドワード8世(演:ガイ・ピアース)
- 生い立ち・背景
・ジョージ6世の兄として、イギリス王族としての伝統的な教育を受けて育ちました。
・王位の継承順位でトップに立っていた彼は、高い期待を背負いながらも、自由奔放な性格で知られました。 - 登場時人物の性格や特徴
・伝統や形式に縛られることなく、自由を追い求める性格で、その行動は王族としての枠を超えていました。
・カリスマ的な魅力と説得力のある話し方で、多くの人々を魅了していました。 - 他の登場人物との関係
・ジョージ6世:弟。エドワード8世の自由な行動や王としての立場に対する考え方は、弟であるジョージ6世との間に多くの対立を生む原因となりました。 - 作中での動向
・愛するウォリス・シンプソン夫人との関係を選ぶことで、短期間で王位を放棄します。
・その決断はイギリス王室や国民に大きな衝撃を与え、イギリスの歴史に深く名を刻むこととなりました。
その他の登場人物
- ジョージ5世 (演:マイケル・ガンボン)
イギリスの王として、帝国の終焉と新時代の到来を迎える難しい時期に君主としての責務を果たしていたジョージ5世。彼は息子であるジョージ6世に厳しく接し、王族としての役割や責任を強く求めています。 - ウィンストン・チャーチル (演:ティモシー・スポール)
英国の名門家庭に生まれたウィンストン・チャーチルは、国の政治の中心で活躍してきた歴史的な人物であり、彼のリーダーシップは第二次世界大戦を通じて国を導いてきました。映画内では、ジョージ6世の君主としての役割や立場をしっかりとサポートする重要な役割を果たしています。 - 大司教コスモ・ラング (演:デレク・ジャコビ)
英国国教会の大司教としての役職を持つコスモ・ラングは、信仰と伝統を重んじる保守的な立場を取っています。ジョージ6世との関係は複雑であり、特にライオネル・ローグとの治療に関しては批判的な態度を見せることも。 - マートル・ローグ (演:ジェニファー・イーリー)
ライオネル・ローグの妻であるマートルは、夫の治療法や手法に対して理解とサポートを示している。彼女は家庭の中心として、夫の支えとなりながらも彼の方法を疑問に思うことも。 - スタンリー・ボールドウィン (演:アンソニー・アンドリュース)
英国の首相として、王室と国の政治の橋渡し役を果たしてきたスタンリー・ボールドウィン。彼は王室の危機を和らげるための綱渡りを行っており、特にエドワード8世の結婚問題では中心的な役割を果たしています。 - ネヴィル・チェンバレン (演:ロジャー・パロット)
英国の首相として、ヨーロッパの情勢が緊迫する中、宥和政策を推進してきたネヴィル・チェンバレン。彼の政策はジョージ6世との関係にも影響を及ぼし、物語の中で彼の取り組みがどのように反映されるのかが描かれています。 - ウォリス・シンプソン (演:イヴ・ベスト)
アメリカ人で、既に二度の離婚歴を持つウォリス・シンプソンは、エドワード8世との関係で王室に大きな波紋を投げかけます。彼女の存在は物語の大きな軸となり、王室の伝統や価値観に挑戦する形となります。 - エリザベス王女 (演:フレイア・ウィルソン) & マーガレット王女 (演:ラモーナ・マルケス)
ジョージ6世の愛する娘たちとして、王室の中での成長や変化を見せるエリザベス王女とマーガレット王女。物語の中で彼女たちは王室の未来を象徴し、父の吃音に対する支えとなる場面も描かれています。 - メアリー王太后 (演:クレア・ブルーム)
ジョージ6世の母であり、王室の伝統や価値をしっかりと守るメアリー王太后。彼女は王室の中での威厳を保ちつつも、息子の吃音に対する理解とサポートの姿勢を見せています。 - グロスター公爵 (演:ティム・ダウニー)
ジョージ6世の親族であり、王室の中での彼の立場や責任を共有するグロスター公爵。彼の存在は物語の中でジョージ6世の支えとして描写されています。
作品をより深く理解するための背景知識(事前知識)
ジョージ6世の吃音とその苦悩
本作では、ジョージ6世の吃音とその治療を中心に描かれています。実際のジョージ6世も吃音に悩まされており、それが公の場でのスピーチを難しくしていたことは広く知られています。
- 若き日のトラウマ
作中でのジョージ6世のフラッシュバックや語りから、彼の吃音が子供の頃のトラウマや育った環境、特に厳格な家族の中でのプレッシャーや右利きを強要されたことなどから来ていることが伺えます。また、兄たちや家族からのからかいや冷たい扱いも彼の心の傷として深く残っています。 - 公務としてのスピーチの重要性
本作では、ジョージ6世が即位した後、国民に向けてのラジオ放送や公の場でのスピーチの重要性が強調されています。しかし、その度に彼の吃音は大きな障害となり、彼自身の自信を大きく傷つけていました。 - ローグとの出会い
本作の中でジョージ6世は、言語療法士ライオネル・ローグとの出会いを通じて、自らの吃音と向き合うことを学びます。ローグの独自の治療方法や、彼との深い信頼関係が形成されることで、ジョージ6世は徐々に自分の声を取り戻していきます。
エドワード8世の退位の背景と英国王室の伝統
- エドワード8世の恋愛と退位の経緯
本作では、エドワード8世がアメリカ人の2度の離婚歴を持つウォリス・シンプソン夫人との結婚を希望していることが描かれています。しかし、彼女の背景や離婚歴は、当時の英国王室や国教会の伝統と大きく対立しており、これがエドワード8世の退位の大きな原因となりました。 - 家族との関係性
作中では、エドワード8世の行動が、家族間の緊張や対立を引き起こす要因としても描かれています。特にジョージ6世との関係は複雑であり、エドワード8世の恋愛や退位が、ジョージ6世にとっての重荷や責任を増大させる結果となっています。 - 英国王室の伝統と責務
英国の王族は、ただの象徴としての役割だけでなく、国民の統一や希望の象徴としての重大な責務を担っています。本作でジョージ6世や他の王族メンバーたちは、国王としての義務や王室の伝統を重んじ、その価値観を守るための苦悩や葛藤を感じています。エドワード8世の恋愛は、これらの伝統や責務に大きな影を落とすものとして描かれています。
1930年代の欧州情勢と大英帝国の背景
- 第一次世界大戦の影響
第一次世界大戦は、多くの国々に深刻な影響をもたらしました。特にヨーロッパは大戦の主戦場となり、多数の死者や傷者を出しました。本作では、ジョージ6世の吃音がこの大戦のトラウマやプレッシャーに起因する可能性として示唆されています。戦後のヨーロッパは、復興の過程で多くの国内外の問題に直面していました。 - 1930年代の欧州の政治的緊張
1930年代の欧州は、アドルフ・ヒトラー率いるドイツの台頭とともに、再び戦争の気配が漂い始めました。本作では、ジョージ6世が放送で帝国民に向けて戦時の重要なスピーチを行うシーンがあり、欧州全体の緊迫した情勢を背景に、国王としての彼の責任や役割が強調されています。 - 大英帝国の状況
本作の時代背景となる1930年代、大英帝国は最盛期を過ぎ、徐々に衰退の兆しを見せていました。しかし、それでも世界最大の植民地帝国としての影響力は依然として大きく、王室の責任や影響範囲は計り知れないものでした。この時期の王室の役割や影響力、そしてその重責が、本作の中で、ジョージ6世のキャラクターを通じて具体的に描写されています。
BBCの発展とその影響
- BBCの設立とその影響
BBCは、1922年にイギリスで設立された公共放送機関であり、ラジオ放送を中心に始まりました。1930年代にはテレビ放送も開始し、BBCは英国民にとって情報源やエンターテインメントの中心となっていました。本作では、国王の演説がBBCを通じて帝国中に放送されるシーンがあります。このシーンは、BBCの大きな影響力や重要性を表しています。 - 映画におけるBBCの象徴的役割
本作では、BBCは国王の吃音の問題を克服するための重要なステージとして描写されています。特にラジオ放送は、ジョージ6世にとって大きな壁であり、同時に彼の成長や変容の場ともなっています。この点からも、BBCの時代的な進展や影響力の大きさを伺うことができます。 - 技術革新とメディアの重要性
1930年代、BBCは技術革新を続け、ラジオやテレビの普及を推進していきました。これにより、英国王室や政府のメッセージは、従来よりも迅速かつ広範囲に伝えられるようになりました。本作でも、ジョージ6世のスピーチがどれほどの人々に届いていたかを、BBCの放送を通して感じ取ることができます。
本作の注目ポイント
- 吃音の克服への挑戦
ジョージ6世の内面的な闘いとしての吃音。特に彼の宣誓の場面での緊張感は、観る者の心をつかみます。 - ローグとの深まる絆
吃音療法士ライオネル・ローグとのセッションの場面では、異なる立場の二人がどのように信頼関係を築いていくかが描かれ、特に戴冠式の椅子を使ったセッションは感動的です。 - 歴史的背景と王室の葛藤
エドワード8世の退位の経緯やジョージ6世が王位を継ぐことになった背景。王室の重責と伝統の中での家族の葛藤が緻密に描かれています。 - 熱演の質
コリン・ファースのジョージ6世としてのリアルな吃音の演技やジェフリー・ラッシュのローグとしての温かなサポートは観る者の心を掴みます。 - 映像美と時代背景
1930年代のイギリスの街並みや宮殿の内部など、細部にわたるセットやコスチュームが目を引きます。 - 王室の日常と内部
王としての公務だけでなく、家族としての王室の一日も描かれており、特に子供たちとの日常の交流シーンは心温まります。 - 人間関係の複雑さ
ジョージ6世とエドワード8世の兄弟の関係や、王室内の複雑な人間関係が繊細に描かれています。 - 表彰と認識
映画の中で、ジョージ6世が各賞を受賞する場面や、その際の彼の反応や感情がリアルに描写されています。
まとめ
本作は、イギリス王ジョージ6世と言語療法士ライオネル・ローグの友情を背景に、吃音を克服する努力と王室の葛藤を描いた作品です。
ジョージ6世の内面的挑戦、ローグとの深い絆、1930年代の歴史的背景、そして王室の日常と複雑な人間関係が繊細に描写されており、演技や映像の美しさも見どころです。
この映画を通じて、王としての責務や家族としての絆、そして個人としての挑戦と成長を感じ取ることができます。
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